牧之原市立地頭方小学校

〒421-0533
静岡県牧之原市地頭方981
TEL 0548-58-0003

校長室より地頭方小学校を日本一楽しい学校にするぞ

式辞

本日ご臨席いただいた地域の皆様、保護者の皆様、ご家族の皆様、ご卒業おめでとうございます。
本日、卒業証書を手にされたみなさん、おめでとうございます。卒業証書を手にした瞬間、みなさんの小学校生活は修了となりました。正式には、今、みなさんは、小学生ではないということです。どうでしたか。地頭方小学校で、大事なものがたくさん詰まった時間を過ごすことができたでしょうか。

最初にすべての大人を代表して謝らなくてはいけません。みなさんの小学生生活は、我慢の連続でした。誰も経験がない、知識もないウイルスに翻弄されて、学校でも、家庭でも、地域でも、思いきり何かをするということを大人は制限するしかありませんでした。
一番つらかったのが、学校はみんなが顔を合わせ楽しく生活する場所なのに、大きな声で笑い合うことを禁止、思い切り歌を歌うことを禁止、楽しく会話しながら給食を食べることまで禁止して、いつもマスクをするように命じていました。友達の表情が分からなくて、だんだんとみんながどんな顔をしてどんな気持ちでいるのかわからなくなってきて、そんなさみしい時間が続き、いつの間にか、自分の顔をさらすのをためらうようになってしまいました。

わたしたち大人は、いまだに迷い考え続けています。成長真っただ中の子供たちに、強いたことは正しかったのだろうかと。大事なものを失わせてしまったのではないだろうかと。
でも、校長としてこれだけは自信をもって言います。コロナの時代を生きたのだから、いろんなことができなくても仕方ないとみなさんがのちのち言われないように、心のこもった指導をしました。学級担任だけでなく、すべての先生でみなさんを育てました。どんなに苦しい状況であっても、地頭方小学校の学びを止めることなく、みなさんと一緒につらい時期を乗り越えてきたわたしたち教職員は、自信をもって、みなさんを中学校へと送ることができます。
みなさんは、分かっているとは思いますが、世界は戦争が続いていて、日本も大きな災害が次々と襲い掛かり、さまざまな問題があります。家族や愛する人と離れ離れになっている人がたくさんいます。みなさんは、温かい家族の中で生きることができていますが、それを当たり前とは思わないことです。家族の中で生きていけることは、幸せなことです。

保護者の皆様、子供を育てる中で、言葉にできないご苦労もあったと思います。親は、自分の辛さや悲しみを子供に見せずにひとりでがんばろうとします。でも、この子たちは、言葉には出しませんが、親や家族のことを案じて、頼りにして、理解しようとする立派な人に成長しています。大切に育んできた命、飛び立つには翼はまだ小さくうまく飛べないかもしれません。この先も、ご家庭はもとより、この地頭方地域が一体となって、励まし支えてくださるようお願いします。

地頭方小学校が、みなさんに刻んだものは、失敗をして成長しなさいということです。憧れや目標を持ちなさい。夢を持ちなさい。だけど、人と比べてできる・できないとか、自分はダメだと勝手に思い込んで絶望してはいけません。とにかくやってみることです。そして失敗もするのです。失敗して、失敗して、それでも立ち上がって前に進んで、自分の宝物を見つける冒険を永遠に続けるのです。生きて、生きて、生き続けて、小さな幸せと出会い続けて、小さな幸せをだれかに与えられる、だれかを笑顔にできるそんな人間になるために必要なものは、全部みなさんに刻みました。小学校での学びは、きっとみなさんの人生を輝かせます。
さあ、卒業生の皆さん、もっともっと、楽しい冒険をしてください。人生は楽しいことだらけです。一緒の冒険はここまでですが、わたしたち地頭方は、地頭方小学校の先生は、みなさんの背中に向かってエールを送り続けていますから、安心して、
行ってらっしゃい。

令和七年三月吉日
牧之原市立地頭方小学校長
小柳津 敏法

第66話 よみがえったガブ

よみがえったガブ

修了式

子供たちの確かな成長を感じられる修了式でした。
代表の言葉を言った7人の子供たち、とても立派でした。その中には、こうやってみんなの前で言葉を言うのは苦手だったけど、こうして挑戦できるようになったという子がいました。
一人一人が、この一年間で成長したこと、3学期に頑張ったことをみんなの前でしっかりと表現できました。
さらに、成長を感じたのは、子供たちの話の聞き方です。
何を伝えようとしているのか理解しようとする優しい聞き方ができるようになり、わたしも「校長の話」の時には、話しやすさを感じるようになりました。
わたしは、この一年で、子供たちの宝物を10個見つけました。
そうじ、あいさつ、チャレンジ、親切、やさしさ、感謝、いいとこ見つけ、失敗にくじけない、表現、笑顔。
これらは、子供たちが持っている宝物です。
本当に楽しい1年間だったなぁと思いながらの修了式でした。

第65話 ちん君におそいかかるアクシデント

ちん君におそいかかるアクシデント

式辞

卒業式でわたしが話をする式辞がついに完成をしました。この式辞に取り掛かったのは、3月1日です。大好きな6年生に、最後はどんな言葉が必要なのかを考えて考えて、ようやくできました。
わたしがこの学校に来た時、まだ4年生でした。元気いっぱいでエネルギッシュな男子でした。外でサッカーをよくしていました。喧嘩もたくさんありました。女の子たちは、落ち着いていました。あまりみんなの前で声を出すということが少なめの女の子たちでした。太田先生の熱血指導で、男子も女子も、自分の考えをしっかり声にすることを学び、ぐんぐん成長していきました。
五年生になると、子供たちは自分らしさを出すようになりました。納得がいかないことがあると、しっかり主張し、その主張同士でぶつかり合うトラブルもありました。佐藤先生は、そんなトラブルもこの子たちの成長だと大きな心で受け止めてくださいました。学校でみんなと一緒に勉強することがしんどいと感じるようになった子もいました。そんな子には、力がまたたまるまではのんびりすればいいという方針にしましたが、内心は不安だったんです。でも、六年生になってからの姿を見たら、それでよかったんだと思っています。
六年生になると、やるべきことは責任を持ってやらないといけないということを学びました。それまでいい加減だったかもしれないようなことを見直し、担任の先生の厳しい指導を受けながら、自立した人になっていきました。
本当に立派な人に成長しました。頼もしい六年生でした。そんな六年生が、中学校でもがんばれるよう、背中を押せるような式辞を心を込めて考えました。

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