牧之原市立地頭方小学校

〒421-0533
静岡県牧之原市地頭方981
TEL 0548-58-0003

校長室より地頭方小学校を日本一楽しい学校にするぞ

変わること変わらないこと

子供たちに聞いてみました。
大掃除を手伝った子はたくさんいました。
除夜の鐘をついた子は少しだけいました。
年越しそばは半分を超えるくらいいました。
年賀状を書いた子は少しだけいました。
おぞうにやおせちを食べた子は、全体の半分ちょっとって感じでした。
クリスマスプレゼントは課金って子がいました。
お年玉をペイペイでもらった子がいました。
神社のお賽銭をQRコードでしてきたという子もいました。

子供たちの冬休みも、変わらないことあり、変わることあり。
それでも子供たちは、自分の冬休みを満喫して、いい思い出を作ることができました。
その証拠は、次の質問です。全校のみんなに投げかけました。
「今日、学校に来るのが嫌だなぁと思った人?」
そしたらほとんどの子が立ち上がりました。
そうだよね。その気持ちは、大人もおんなじだよ。

2024年の教育新聞で一番目についた言葉は「不登校」でした。2024年は、過去最高の34万人の子供たちが不登校になっています。
2025年のキーワードとされているのが、「生成AI」です。
さてさて、学校は何が変わらなきゃいけないのか。何は変わってはいけないのか。
そのようなことをしっかり考えて進まねば。
地頭方小学校の子供たちが必要としている教育を、追求しなくては。

校長先生の初恋物語 42話

なぞのハンバーグ

2025年のスタート

新しい1年が始まりました!皆さんとの新しい冒険が待っていることを、とても楽しみにしています。今年もたくさんのことを一緒に学び、成長していきましょう。

一人ひとりが持っている素晴らしい力を、さらに輝かせることができるよう、先生たちは全力でサポートします。困ったことや挑戦したいことがあれば、いつでも気軽に先生に相談してください。

2025年、新しい学びと発見でいっぱいの一年にしましょう!今年もどうぞよろしくお願いします。

人工知能と学校

何度も何度も聞いたことがあると思います。今存在している職業の半分以上は、人工知能が行うようになり、人間が行いません。子供たちが大人になるころには、そうなっています。子供たちの仕事も変わっていくんです。人工知能のある労働、人工知能に囲まれての生活です。
「人工知能が発達して、ぼくたちが大人になるころには、職業がなくなっちゃうんだよ。」
これは、朝校門で立哨していた時、高学年の子が言った言葉です。その子のこの言葉に対して、近くにいた他の子が言いました。
「人工知能、最悪じゃん。」
このような会話は、今の子供たちの中ではよくあることです。人工知能とともに便利に生きる社会に対して楽しみもありますが、反面、不安があるのは当然です。だって、我々大人も想像できない社会です。
わたしはその二人に、不安になりながら「不安はいらない。」と言うしかできませんでした。

将棋の名人と人工知能が将棋をしたら、ついに人工知能が勝ったというニュースがありました。もう、将棋の名人も、人工知能にはかなわないと言ってました。
現在人工知能のIQは、200を軽く超えています。アインシュタインより上です。そして、20年後には、IQ10000になっています。全人類、誰もかないません。人工知能の開発をしていた人も、その開発チームから離れていく人もいました。その理由は、「人工知能が世界の人を幸せにするとは思えない。絶対に人工知能は悪用される。」でした。
そんな話を聞くと、子供たちが人工知能とともに幸せに暮らしている未来を描きにくくなってしまいました。だから、「不安はいらない。」と口にすることに不安になるのです。

でも、人間の強みはあります。例えば将棋だって、人間は楽しくて奥深くて好きで、そして相手に勝ちたいという気持ちがあります。勝つは将棋をする目的です。ところが人工知能は将棋が好きでもないし面白さも感じてないし勝ちたいと思いながらやってません。ただ単に、膨大なデータから相手に負けないという手を計算して指しているだけです。工場で間違えることなく同じ作業を続けているロボットの行動と何ら変わりません。
人の強みとは、心があり、感情があり、行動に目的や意味があることです。計算が早い。計算が正確。漢字もたくさん知っている。それらは、これまではそれが強みとなるように学校で学んできましたが、それらも人工知能にはかないません。その知識を使って目的を達成していくことができるのが、わたしたちの強みです。九九を覚えたら、その九九を使って何ができたかです。物語を勉強したら、その物語を学んだ経験がもとになりどんな新しい学びを切り開けたかです。覚えたから学びは終了の時代ではなく、得た知識を使って自分の目的を達成していく学び、それが子供たちには必要だと思うのです。 
人工知能の発達により、学校の役割が明確になったと研究者は言ってました。「なんのために学ぶのか」という目的を持てることは強みです。「できるようになりたい。」と思えるのは強みです。「成長したい。」「がんばってみたい。」「あきらめずにやり遂げたい。」「みんなと感動したい。」「自分らしく学びたい。」「自分のペースで学びたい。」「もっと深く学びたい。」「追求したい。」「新しいものを自分の力で生み出したい。」「知らない考え方に出会いたい。」「仲間と一緒に、新しい考え方にたどり着きたい。」そのようなことを思い学んでいくことは、人工知能ではできないことで、私たち人間だけができることで、これからの子供たちには必要な強みで、そして現代の学校が、強く、強く、意識したいことなんです。
学校だからできることに自信を持っていきたいです。

大人になっても忘れない

お父さん、お母さんは、小学生の時、どんな勉強をしたかって覚えていますか。小学校の時のことって、そのほとんどは、大人になったとき、記憶から消えてしまうものらしいですよ。それがだめってわけじゃありません。きっと、その後の人生が楽しかったってことです。
小学校の先生が誰だったかも忘れてしまいます。1年生から6年生まで、すべての名前が言える人は相当すごい。
小学生の頃の思い出で残りやすいのは、辛い思い出が多いそうです。先生に叱られたとか、みんなから仲間はずれにされたとか、そういう嫌だったことは心の傷になってしまうから。傷になってしまうと消えにくいんでしょうね。

4月に、あるお母さんと校長室でお話をした際に、
「小学生の時、鈴木梅太郎の勉強をしたこと覚えてます。」
っておっしゃっていました。梅太郎博士のことだけは、どんな勉強をしたかまではっきり覚えていますって。きっと、心に深く刻まれるような、すごい勉強だったんですね。面白くて、わくわくして、そして最後は、「梅太郎博士ってすごい人だなぁ。わたしたち地頭方小の誇りだなぁ。」って、そんな学びだったんでしょう。大人になっても刻まれている学び、うらやましい。
大人になっても忘れられない学び、最高です。子供たちが、大人になっても覚えていられるような学び、やりたいです。
地頭方の昔について調べたこと、民話について調べたこと、海浜公園の開発を考えたこと、バーガーを開発したこと、
そんなわくわくする学びがたくさんできた2学期でした。先生の顔は忘れても、そんな学びは大人になっても忘れないでしょ。
大人は、ついついこう考えちゃうんです。漢字が書けないと。計算が出来ないと。本読みができないと。そんな感じで、学びとは「読み書き計算」だと思ってしまう。それらの力も大事ですが、
地頭方小学校が大事にしているのは、学びを楽しいと思える力、コミュニケーション力、創造する力、考えを生み出す力、あきらめない力、必要な情報を自分で見つける力、表現する力、そして失敗して学ぶこと、
そういうことを大事にしていますから。
もっと子供たちが楽しみ、大人になっても忘れない授業を、2025年もたくさんしていきたいなぁ。

 
地頭方小学校長 小柳津 敏法

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