校長室より地頭方小学校を日本一楽しい学校にするぞ
うどんとカレーとハンバーグ
地頭方小学校の給食は、本当においしいです。自分の学校で給食をつくる、自校給食ということもありますが、メニューがすばらしいです。
子供たちの健康を考えて、子供たちが食に対する関心が高められるよう、嫌いなものもおいしく食べられるよう、メニューを考えてくれる栄養教諭のおかげです。
おいしい給食を食べているからか、将来は、栄養教諭になりたいという子供だっています。五年生です。自分で給食メニューを考えることもあるそうです。
栄養教諭は、そんな子供のメニューを実際に給食で提供できないものかと考えてくれています。子供の夢を大切にしてくれることもうれしいです。
子供の夢は大切にしてくれます。でも、校長の夢は・・・。
わたしは、給食ですきなメニューが、麺、カレーライス、ハンバーグです。
先週、カレーライスの日がありました。その日わたしは出張でした。
今週は、今日がうどんの日です。なんとわたしは今日も出張です。たまたまでしょうか。
わたしが出張の日をあえて狙って、うどんとカレーライスを出したのではないでしょうか。
でも、献立表を見て気づきました。15日はハンバーグですが、わたしの出張はありません。疑ってしまった自分を反省します。
栄養教諭の鈴木先生。いつもおいしい給食をありがとう。子供たちの食が豊かになるよう、がんばろうね。
もう少し、麺の日を増やしてね。
連休明けは子供も疲れてる
連休明けの五月は、「学校に行きたくないな…。」という子がちらほら出てきます。四月から元気よく登校できていたのに、急にです。
それは、仕方ないことです。子供だって疲れるんです。四月から「がんばるぞ。」って気持ちで張り切っていた子供たちがガス欠になる五月です。
もしも子供が「学校行きたくない…。」って言ったらどしますか。玄関でぐずぐずしていたら、どうしますか。
そういう時は、無理して、学校に来ることはないですよ。無理やり引っ張ってくることはないですよ。
疲れた状態なのですから、家でゆっくりしたらいいです。
読書なんて最高です。
わたしたち大人も、五月から六月にかけては疲れがち。わたしたちだって、「職場に行きたくないなぁ…。」って日はあります。そんな時は、
気軽に、休めるのが一番です。
子どもも大人も疲れがちな五月。不登校がぐっと増えてしまいがちな五月。そんな五月に、無理な教育活動を入れすぎて、失敗したという経験が何度もあります。
ですから、わたしは、運動会の春開催は慎重になってしまいます。ただでさえ疲れている五月に、運動会の練習がばんばん入ってきたら、子供たちはどうなってしまうでしょうか。
「運動会を春開催に。」という保護者の方からのご意見をいただき、よく考えましたが、やっぱり本年度も、秋開催としました。
お祭りが近いことが心配ではありますが、春開催に踏み切れないいくつかの理由があって、その中の1つが子供たちが疲れ気味の五月ということが挙げられます。
あまり無理なことを子供にさせたりしない五月でいきます。
早くて便利で簡単のつづき
さて、地頭方小学校で推進している読書だってそうです。
一冊の本を読み終わるというのは、とても時間がかかります。簡単ではありません。
忍耐力のようなものも必要です。
早くて便利で簡単とかけ離れています。
そのためか、どんなに長い本でも、簡単に一分から五分くらいの動画にして紹介している人もいます。
そんな人の動画視聴者は数万人を超えています。それが新しい形の本との関わり方です。
わたしは好きな本を読むとき、一気に読みません。
立ち止まりながら読みます。好きな本であればあるほど、立ち止まる回数も増えます。
それは、途中で立ち止まって、自分を見つめる時間です。「自分はどうなんだろう。」と。
時には、立ち止まって、その出来事についてゆっくり考え直します。「なぜそうなってしまったんだろう。」と。
本を読み進める時間だけでなく、立ち止まる時間も含めて好きです。
早くて便利簡単ではないのが読書。
でも、その読書から自分の生き方を考えたり、物事を深く考えたりして、実はそういうことが今の時代だからこそ必要なんだと思っています。
早くて便利で簡単
早くて便利で簡単。
わたしはそのようなことを感じることがどんどん増えています。
例えば、ネットで買い物。ポチっとしたものが、ほんの数日後には手元に届き、わたしはその「早くて便利で簡単」なことに感動します。
食べるものもそう。どんなに難しい料理でも、レンジでチンしたら食べられます。食生活は完全に、「早くて便利で簡単」です。
世の中が進歩して、「早くて便利で簡単」になっていくのはいいことです。
学校も、「早くて便利で簡単」の考え方がどんどん広がっていき、とてもいいことだと思います。
端末機器はさらに子供たちの学びを「早くて便利で簡単」にしてくれました。
カマキリの卵から子供カマキリが出てくる様子は、本物を見なくても動画でいつでも見られます。
分厚い国語辞典を図書室から持ってこなくても、端末機器で簡単に分からない言葉は調べられます。
苦労して手にいれることができたことが、苦労しなくても手に入ります。
例えば、「今でも耳が短いうさぎがいます。どうして耳を長くするという進化をしなかったんだろう。」
と質問しても、ポチっとキーボードをたたけば簡単にその答えが出てきます。時間はかかりません。
以前は、どうしてだろうと考えて、こうじゃないかなと自分なりの考えをつくって、友達が考えることを聞いて、
そういう考え方もあるなと驚いて、自分の考えの不完全さを指摘されて、考えを作り直して、
そんなことをみんなでやって最後は答えにたどり着く。そんな感じで学んでいました。一つの問いに対して、何時間もかかってしまうことだってありました。
そんな学びも面白かったとわたしは思っています。
簡単に手に入らないものをみんなで協力し合って目指していく学び。それが学校の学びだとわたしはずっと思ってきました。
早くて便利で簡単に。
分かっています。分かっているけど、早くて便利で簡単に手に入れた知識は心に残らないと思っています。
時には時間をかけて、悩んで悩んで、励まし合って、失敗して、つまずいて、おきあがって、あきらめずに求め続けて、
仲間とようやく手にできたという学びを子供たちは経験してほしいです。
そんな学びは、きっと、大人になっても忘れないと思うからです。
そんな学びこそが、これからの時代を生きる人にとって本当は大事なものだと思うからです。