校長室より地頭方小学校を日本一楽しい学校にするぞ
早くて便利で簡単のつづき
さて、地頭方小学校で推進している読書だってそうです。
一冊の本を読み終わるというのは、とても時間がかかります。簡単ではありません。
忍耐力のようなものも必要です。
早くて便利で簡単とかけ離れています。
そのためか、どんなに長い本でも、簡単に一分から五分くらいの動画にして紹介している人もいます。
そんな人の動画視聴者は数万人を超えています。それが新しい形の本との関わり方です。
わたしは好きな本を読むとき、一気に読みません。
立ち止まりながら読みます。好きな本であればあるほど、立ち止まる回数も増えます。
それは、途中で立ち止まって、自分を見つめる時間です。「自分はどうなんだろう。」と。
時には、立ち止まって、その出来事についてゆっくり考え直します。「なぜそうなってしまったんだろう。」と。
本を読み進める時間だけでなく、立ち止まる時間も含めて好きです。
早くて便利簡単ではないのが読書。
でも、その読書から自分の生き方を考えたり、物事を深く考えたりして、実はそういうことが今の時代だからこそ必要なんだと思っています。
早くて便利で簡単
早くて便利で簡単。
わたしはそのようなことを感じることがどんどん増えています。
例えば、ネットで買い物。ポチっとしたものが、ほんの数日後には手元に届き、わたしはその「早くて便利で簡単」なことに感動します。
食べるものもそう。どんなに難しい料理でも、レンジでチンしたら食べられます。食生活は完全に、「早くて便利で簡単」です。
世の中が進歩して、「早くて便利で簡単」になっていくのはいいことです。
学校も、「早くて便利で簡単」の考え方がどんどん広がっていき、とてもいいことだと思います。
端末機器はさらに子供たちの学びを「早くて便利で簡単」にしてくれました。
カマキリの卵から子供カマキリが出てくる様子は、本物を見なくても動画でいつでも見られます。
分厚い国語辞典を図書室から持ってこなくても、端末機器で簡単に分からない言葉は調べられます。
苦労して手にいれることができたことが、苦労しなくても手に入ります。
例えば、「今でも耳が短いうさぎがいます。どうして耳を長くするという進化をしなかったんだろう。」
と質問しても、ポチっとキーボードをたたけば簡単にその答えが出てきます。時間はかかりません。
以前は、どうしてだろうと考えて、こうじゃないかなと自分なりの考えをつくって、友達が考えることを聞いて、
そういう考え方もあるなと驚いて、自分の考えの不完全さを指摘されて、考えを作り直して、
そんなことをみんなでやって最後は答えにたどり着く。そんな感じで学んでいました。一つの問いに対して、何時間もかかってしまうことだってありました。
そんな学びも面白かったとわたしは思っています。
簡単に手に入らないものをみんなで協力し合って目指していく学び。それが学校の学びだとわたしはずっと思ってきました。
早くて便利で簡単に。
分かっています。分かっているけど、早くて便利で簡単に手に入れた知識は心に残らないと思っています。
時には時間をかけて、悩んで悩んで、励まし合って、失敗して、つまずいて、おきあがって、あきらめずに求め続けて、
仲間とようやく手にできたという学びを子供たちは経験してほしいです。
そんな学びは、きっと、大人になっても忘れないと思うからです。
そんな学びこそが、これからの時代を生きる人にとって本当は大事なものだと思うからです。
日本一のお茶ご飯
今日は給食に、お茶ご飯が出ました。
わたしが人生で食べたお茶ご飯の中で、一番おいしかったです。
このお茶ご飯は、栄養教諭の鈴木先生の努力のたまものです。
というのも、わたしがいつも、こんなことを言い続けてきたからです。
「お茶をご飯の中に混ぜると、お茶の葉は茶色に変色して見た目もおいしそうじゃないし、お茶のいい香りもしないし、食べても何もお茶の良さを感じない。牧之原だからお茶を入れたらいいってもんじゃない。お茶が料理の中に入る良さがないとだめ。」
こんなことを言われて、鈴木先生は一生懸命考え続けて、ついに今日のお茶ご飯が完成です。
まず驚いたのは、お茶の香りです。
ご飯の上にふりかけたお茶の葉のいい香りに包まれました。
次に見た目もいい。緑の色がしっかり残っていました。
食べてもおいしい。
最高のお茶ご飯でした。
おいしい給食を子供たちに届けたい。そんな思いを常に持っている鈴木先生。
お茶は牧之原市の特産だから、給食を通してお茶の良さを伝えたい。
そんな思いをずっと持ち続け、ついに完成したお茶ご飯は、牧之原市民でよかったと思えてくるようなおいしさでした。
学校説明会 校則について
学校には校則があります。本校の校則は「梅っ子の約束」というものです。
本校の校則は、大幅な見直しがされ、現在ほんの少しの校則で行っています。
現6年生の意見も取り入れながらつくられています。
その中で、今までと違うことのみお伝えします。
1つは名札です。6年生の子供たちと、名札はなぜ必要なのかを考えました。
新しくきた先生たちはこの名札を手掛かりとして名前を憶えているという意味があることを子供たちは知りました。
そのようなことから、新しい先生たちが名前を覚える期間、7月までは名札を付けるということを決めました。
一学期が終わったら、名札はつけなくてもいいことになります。
2つ目は、本来は学校の約束ではないかもしれませんが、家での生活についてお願いしていることがあります。
夜9時以降は、メディアにふれるのをやめるというものです。
子供時代の生活習慣は、脳の発達にも大きくかかわってきます。
ゲーム、タブレット、スマートフォンを見ている時間が多すぎる現代の子供たちの生活改善のために悩みながらも校則としました。
この校則をきっかけにして、ご家庭でメディアとの関わり方を考えていただきたいと願っています。