校長室より地頭方小学校を日本一楽しい学校にするぞ
適度な貧乏から生まれた名作
ゴジラという映画が大ヒットしました。この作品は制作費の安さでも話題になりました。一本の映画を撮るために、ものすごい数の人が関わるのが通常なのに、スタッフの数も製作費も抑え、「適度な貧乏」の状況をあえて作り映画製作に取り組んだと、山崎監督は言ってました。なんでも豊富にお金も物もありすぎてしまうと、甘えてしまってよいものはできない。お金も物もないからうまくいかないことが出てきて、失敗して、そのようなものをみんなで乗り越えながら進むことによってよいものは生まれる。それが山崎監督の考え方でした。共感します。特に感じるのは、学校での学び方についてです。学校の学び方って、先生が何でも用意するという教師主導型のイメージが強くないですか。だんだんと日本の教育も変わってきて、子供が選び考える授業がどの教科増えています。探求的な学習という言い方もします。子供たちが、自分でテーマや題材を探し、自分で仮説を立て、自分で検証のためのデータを収集するという主体的な学び方です。ところが、ちょっとその学びの面白さを奪っているのではないかと思ってしまうツールがあります。それが、端末機器です。牧之原市で言うと、chromebookのことです。便利な道具であり、これからを生きる人は使いこなしたいということは分かっています。でも、便利すぎてしまうのです。子供がじっくり考えること、子供が苦労して獲得すること、そういうところを端末機器で省いてしまっている授業が増えてしまうのではないか。そうなると、子供たちが学びの中で失敗を経験することがなくなってしまうのではないか、そう思ってしまうのです。
ゴジラがすばらしい作品になったのは、何もかもが潤った状態ではなく、「適度な貧乏」であったから。至れり尽くせりではなかったから、制作者グループはみんなで知恵を出し合い、悩み続け、一つ一つみんなの力で解決し生み出していったのです。ゴジラが完成するその過程こそが、今の時代に必要な学びだと思うのです。学校で知識を習得すればいいという時代はとっくに終わっています。知識だけをただただ膨らめるだけではだめです。知識の奥にある背景や、その知識と自分との関わりなどもっと深い学びがあり、それを学校は経験させてあげたいのです。それこそが、生きる力の獲得です。
地頭方小学校は、学校の考え方を変えて3年目に突入します。子供が自分たちで見つける。子供が自分たちで考える。子供が自分たちで創る。子供が自分たちで決める。そのような、子供を主語にして、教育活動を改革してきました。先生が先回りしないで「適度な貧乏」状態を子供にあえて与えることもあります。Chromebookにすべてを頼るのではなく、本も読んで、辞書も引いて言葉を獲得していく。人を頼り、人から知識を得る。実際にその場所に行く。体験する、旅をする。海が知りたかったら海に行き、潮の香りを吸い込んでみる。地頭方小学校の学びとは、「人・本・旅」です。その学び方は効率は悪いかもしれませんが、地頭方小学校の子供たちにはとても合っている学び方だと確信しています。便利な文房具として端末機器も使いますが、そこに頼りすぎるのではなく、「人・本・旅」の学び方をこれからもします。
夢の給食
7月22日の給食は、一人の子の夢が詰まった特別な給食です。
5年生のさやかさんは、現時点での将来の夢として、栄養教諭というものがあります。自分で考えた給食メニューをみんなに食べてもらうという仕事にあこがれています。
その夢を知った栄養教諭の粋な計らいで実現した今日の給食。
昼の放送原稿で流す夏野菜クイズも、さやかさんが考えてくれました。
子供の夢を叶えてくれた栄養教諭のかなみさん。子供を大切にする気持ちがうれしいです。